末期がん患者が語る「精神的に充実できること」 がん生活こそ趣味生活 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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末期がん患者が語る「精神的に充実できること」 がん生活こそ趣味生活

連載「治さないのに、元気です! すい臓がんステージⅣ 石先生」

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石弘光週刊朝日
石弘光(いし・ひろみつ)1937年東京に生まれ。一橋大学経済学部卒業。同大学院を経てその後、一橋大学及び放送大学の学長を務める。元政府税制会会長。現在、一橋大学名誉教授。専門は財政学、経済学博士。専門書以外として、『癌を追って』(中公新書ラクレ)、『末期がんでも元気に生きる』(ブックマン社)など

石弘光(いし・ひろみつ)1937年東京に生まれ。一橋大学経済学部卒業。同大学院を経てその後、一橋大学及び放送大学の学長を務める。元政府税制会会長。現在、一橋大学名誉教授。専門は財政学、経済学博士。専門書以外として、『癌を追って』(中公新書ラクレ)、『末期がんでも元気に生きる』(ブックマン社)など

昔の山仲間たちと一緒に姫路城へ。がんに罹患してからも、旅行の慣行は変わっていない(2018年5月撮影)

昔の山仲間たちと一緒に姫路城へ。がんに罹患してからも、旅行の慣行は変わっていない(2018年5月撮影)

 一橋大学名誉教授の石弘光さん(81)は、末期すい臓がん患者である。しかも石さんのようなステージIVの末期がん患者は、5年生存率は1.4%と言われる。根治するのが難しいすい臓がんであっても、石さんは囲碁などの趣味を楽しみ仲間と旅行に出かけ、自らのがんを経済のように分析したりもする。「抗がん剤は何を投与しているのか」「毎日の食事や運動は」「家族への想いは」。がん生活にとって重要な要素は何かを連載でお届けする。

【写真】がんを罹患しても旅行は欠かさない

*  *  *
 がんが発覚し抗がん剤治療を受けて1年半ほど経った頃、痛感したことはQOL(生活の質)がある程度維持されないとがん生活には耐えられないということである。

■断腸の思いであった「スキーの断念」

 私はがんになっても自分らしく生きたいと考え、行動してきた。具体的には、がんが見つかる以前と同じような生活を目指そうということである。実際にがん生活をはじめ以前と比べ変更を余儀なくされたのは、

1)スキーを断念したこと
2)原則として夜の外出を控えたこと

 の2点である。それ以外は、おおむねごく普通の生活を送っている。

 がん発覚の3カ月前までスキーを60年以上もしてきただけに、スキー断念は断腸の思いであった。抗がん剤の副作用で足に絶えずしびれがあり、また時折ふらつくこともある身体で、さすがの私もスキーを続ける自信はなくなった。

 また日中はまだしも、抗がん剤の影響で夕刻以降は疲れがでてくるので夜の会合などは基本的に遠慮することにした。

■大きなダメージとなる「倦怠感」

 このような制約を課したが、毎日の生活を楽しく送るためにはQOLがある程度維持されてなくてはならない。QOLに最もダメージを与えるのが、身体のだるさ・倦怠(けんたい)感である。

 このQOLを維持し生活を楽しむためには、だるさが残るがそれほど意識されない程度になってくれないと困る。朝起床してだるさが先立つと、何のためにがん治療を受け生きながらえる努力をせねばならぬのか、正直わからなくなる。このだるさを克服できるのは、自分の持つ体力、気力を充実させるしかない。将来に明るさが見えなくなると毎日を楽しく過ごせなくなる。



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