(c)朝日新聞社
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 猛暑など天候不順で夏野菜の生育が悪く、価格が跳ね上がっている。

 スーパー「アキダイ」(東京都練馬区)では、キャベツLサイズが1玉238円と、通常時の3倍ほどだ。「夏野菜も夏バテ」と秋葉弘道社長。

「238円はほぼ原価。通常、キャベツ1玉が100円を超えることはない。高温と干ばつで、ものが足りなくて、確保が大変。価格がすぐに安くなることは考えにくい。お客さんはやむを得ず買ってくれている」

 東京都中央卸売市場での卸売価格をみると、7月第4週(20~26日)の10キロあたりで、キャベツは1382円。前年同期の2.6倍だ。レタスは1706円で同1.8倍、トマトが4キロあたり1296円で同1.7倍。多くの野菜は7月ごろから急騰中だ。市場関係者は「長雨や高温で、野菜の育ちが良くない」と言い、急には下がらないとみる。

 野菜の生育不良は、東日本が高温と干ばつ、西日本が豪雨、東北や北海道が低温や雨の影響といわれる。

 丸正食品チェーンの総本店(東京都新宿区)は、野菜を主に市場から調達し、一部は産地からも購入している。仕入れ値が上がっても、周辺同業者の値段も意識する必要があり、「あまり高くもできない」と担当者。カットするなど売り方を工夫しているが、お盆過ぎも高値は続く、とみる。

「産地からの情報では、もう少し上がる品もあるのではないか。キャベツやトマトなどが厳しいのでは」(担当者)

 東京都や神奈川県などで食料品中心のスーパーを展開する「オオゼキ」も、野菜を市場から仕入れている。担当者は、量を減らして1パックの単価を上げないように工夫しているという。価格は高騰したが、料理に欠かせぬ品のため、消費者はまったく買わないわけにはいかない。売る立場からは利益をあげにくいという。

 大手飲食店チェーンのなかには、野菜を長期契約で調達している企業もある。

 外食チェーン「やよい軒」や持ち帰り弁当「ほっともっと」を運営するプレナスは市場から調達せず、取引先から半年ほどの長期契約で仕入れている。足元の価格高騰は、すぐに影響することはないという。

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