丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している
丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している
丸山茂樹氏からみた、息子・奨王くんの今後の課題は…?(※写真はイメージ)
丸山茂樹氏からみた、息子・奨王くんの今後の課題は…?(※写真はイメージ)

 日本を熱狂させたワールドカップ。プロゴルファーの丸山茂樹氏は、過去にあったゴルフの試合を思い返す。

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 まずは、西日本の大雨で被害に遭われた方々に、お見舞いを申し上げます。テレビで現地の様子を目にしますけど、つらくて見ていられないのが本音です。

 こんなことが起こるなんて、自分が子どものころには考えもしなかったですよ。今回はとくに西日本での被害が大きいですけど、今後は日本にいる限り、いつ自分の身に降りかかってきても不思議じゃないと思わないといけないです。気候が変わってきてますから、ほんとにいろんな部分で備えないといけない。準備ができてないと、立ち向かえないですよね。

 今回も「大丈夫だろう」と思い込んでたために逃げ遅れたケースもあったと思います。でも、その想像を超える事態が実際に起こってます。家の高さまで水が来るなんてね……。ほんとに各自が真剣に考えるときが来てますね。

 ゴルフの話に移りまして、国内男子ツアーの「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」(7月5~8日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)です。初日の競技が大雨で中止になって、4日間72ホールから3日間54ホールに短縮して争われまして、44歳のブラッド・ケネディ(オーストラリア)がツアー3勝目を挙げました。

 推薦をいただいて初の日本ツアー参戦となった僕の息子の奨王(しょうおう・18)ですが、通算3オーバーの84位で予選落ちでした。予選初日の前半何ホールかと後半の感じだと、予選通過はできるかなと思ったんですけどね。

 予選を通りたいという思惑と、雨・風という悪条件によって、だんだんだんだんメンタルの部分と技術の部分が空回りしたんでしょう。「最後はあまり気持ちよくできなかった」って言ってましたね。

 安全にいくべきところも攻めていった場面もあって、まだまだコースマネジメントというか、駆け引きの部分があまりうまくないのかなというのはありましたね。でも非常にいい経験をさせてもらったと思うので、これを本人がどういうふうに宿題として持っていけるか。また新たな自分を見せられるかということでしょう。周りのプロがどんなふうにゴルフをしてるのかも見られたと思うし、体力的な部分の違いも感じられたと思いますので。

 さて海外メジャー第3戦となる「全英オープン」(7月19~22日、スコットランド・アンガスのカーヌスティ・ゴルフリンクス)です。カーヌスティは全英オープンで使うゴルフ場の中で、一番難しいとよく言われるところなんですよね。僕自身、1999年に出たときは雨風も強くて撃沈しました。

 微妙にねじれてるコースがあったり、ブッシュが厳しかったり、時折流れるクリークにつかまったり。とにかくトラップがいっぱいあるんです。いつも以上にコースを熟知してから回らないと難しいですね。

 そういう意味もあって、松山英樹(26)は約2週間前に入ったんでしょうね。前哨戦に出れば季節慣れもできるし、いいですよ。英樹は2013年の全英初挑戦で6位に入りましたが、そこからはトップ10を逃してます。でも1カ月前の全米オープン選手権でも、あの調子の悪さで16位ですから。ちょっとかみ合って気分も上がれば、上位も見えてきますよ

週刊朝日  2018年7月27日号

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丸山茂樹

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丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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