8位は5億1千万円の本田圭佑は、今大会は控えながらもセネガル戦で同点のゴールを決めるなど存在感を示した。イタリアのチームへの復帰を狙っているとも言われたが、年齢が32歳と高いこともあり、市場価格が大きく上がることはなさそうだ。

 反対に、今大会で思わしい活躍ができず、評価を下げた選手は誰か。

 栗原さんはベテラン勢が精彩を欠いたという。最初に上げたのは、ゴールキーパーの川島永嗣だ。35歳で、フランスリーグでプレーするものの、市場価格は3千万円で、日本代表の中で最も低い。

「ベルギー戦の先制点の場面でも、パンチングが中途半端になり、相手に点を決められてしまった。全体的に安定感がなく、評価は下げざるを得ない」(同)

 13位は2億1千万円の槙野智章は31歳。初めてのワールドカップ出場のためか、オウンゴールをしかけるなど危ないシーンが目立った。34歳の長谷部誠は1億2千万で22位だったが、ボールを取られるシーンが目立ち、以前ほどプレーでチームを引っ張ることができなかった。市場価格は下がりそうだ。

 4位は7億7千万円の武藤嘉紀、14位は1億9千万円の酒井高徳、19位は1億6千万円の宇佐美貴史などは少ない出場機会を生かせず。大迫、長友、乾など活躍した選手に埋もれ、アピールすることができなかった。

 世界の「市場価格」のトップ10を見ると、100億円以上がずらり。ネイマール(ブラジル)やメッシ(アルゼンチン)がそれぞれ232億円でトップ。サラ―(エジプト)、ケイン(イングランド)、デ・ブライネ(ベルギー)が193億円と続く。

 154億円で6位に入っているエムバぺ(フランス)は今大会で評価を大きく上げている選手の一人だ。19歳ながら、決勝トーナメントでメッシ率いるアルゼンチンから2得点を奪い、勝利に貢献した。

 市場価格が高い選手を見ると、やはり得点能力が高い選手が並んでいる。他方で、日本代表はチーム総合で97億円にとどまり、一人分の市場価格にも及ばない。

「大事な試合で得点を決められる選手が高い評価を受けている。ベルギーとの差もこういうところから出ている。日本にもこのランクの選手が一人でもいれば、結果は大きく変わってくる」(栗原さん)

 いつかこのランキングの上位に、日本人が入ることを期待したい。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日 オンライン限定記事

著者プロフィールを見る
吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

吉崎洋夫の記事一覧はこちら