在りし日の野崎幸助氏と妻と愛犬イブ
在りし日の野崎幸助氏と妻と愛犬イブ

 資産50億円といわれる紀州のドン・ファンこと、野崎幸助氏(享年77)の急性覚醒剤中毒による「怪死」事件の捜査は迷走している。

 和歌山県警は6月20日に野崎氏の経営する貸金業、酒販売の会社を家宅捜索。社長室にあった大、小の金庫類を開けたが、なんと中は空っぽだったのだ。

「年単位の捜査になるかもしれない」(捜査関係者)

 和歌山県警はこれまで55歳年下の妻や家政婦など野崎氏に近い人物を捜査してきたが、その範囲を拡大していくという。その中で3人の女性が注目されている。

 その一人は現在の妻の前に野崎氏と「婚約」していた20歳代の女性Aさん。ある交際クラブを通して野崎氏とAさんは知り合い、数年前から和歌山県田辺市の野崎氏の自宅を頻繁に訪ねていたという。野崎氏の知人はこう話す。

「月に10日くらい、Aさんは和歌山に来ていた。野崎さんは何度も求婚。話がまとまり、Aさんは一度、自分の身の回りの荷物を和歌山に送ってきた。しかし、Aさんと野崎さんは破局。その荷物はそのまま野崎さん宅の車庫に放置されていたが、その中から今回、注射器が見つかった。Aさんは急にやせたり太ったりで情緒不安定なところもありました。県警は、Aさんと覚醒剤の関わりを捜査しているようです」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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