石丸幹二(いしまる・かんじ)/1965年、愛媛県生まれ。90年、東京芸術大学音楽学部声楽科在学中に劇団四季「オペラ座の怪人」のラウル子爵役でデビュー。以降、「美女と野獣」「ハムレット」などで主演。2007年に退団後、舞台のみならずドラマや映画、音楽活動や司会などをこなす。13年のドラマ「半沢直樹」の浅野支店長役が話題に。7月11日(水)まで、東京・日比谷のシアタークリエで主演の舞台「シークレット・ガーデン」が上演中。その後、厚木、久留米、西宮でも上演。(撮影/写真部・小原雄輝、ヘアメイク/UNVICIOUS・中島康平、スタイリング/CREATIVE GUILD・米山裕也)
石丸幹二(いしまる・かんじ)/1965年、愛媛県生まれ。90年、東京芸術大学音楽学部声楽科在学中に劇団四季「オペラ座の怪人」のラウル子爵役でデビュー。以降、「美女と野獣」「ハムレット」などで主演。2007年に退団後、舞台のみならずドラマや映画、音楽活動や司会などをこなす。13年のドラマ「半沢直樹」の浅野支店長役が話題に。7月11日(水)まで、東京・日比谷のシアタークリエで主演の舞台「シークレット・ガーデン」が上演中。その後、厚木、久留米、西宮でも上演。(撮影/写真部・小原雄輝、ヘアメイク/UNVICIOUS・中島康平、スタイリング/CREATIVE GUILD・米山裕也)

 劇団四季時代は看板俳優として、熱狂的な女性ファンに愛される「プリンス」石丸幹二さん。今もそのカッコよさや人気はそのまま、ドラマ「半沢直樹」の悪役でも知られるなど、演技の幅を広げていらっしゃいます。そんな石丸さんが作家・林真理子さんとの対談に登場。舞台やドラマについて語りました。

*  *  *

林:この前、いい話を聞いたんですけど、今、ネット社会の反動として、人の肉声を聞きたがってお芝居やミュージカルはどこも満席だっていうんです。

石丸:東北の震災により一時期経済が落ち込んだときに、お客さんがザッといなくなったんですよ。今、根強い人気があるのは、アニメとかゲームが原作の2.5次元ミュージカルと呼ばれるもので、若い人のブームになっているんです。アニメーションのキャラクターを人間が再現して演じるという。彼らを見に、若い人たちが殺到しているんですね。

林:そうなんですか。

石丸:もともと2.5次元と僕たちの舞台は、はっきりと分かれていたのですが、今、アニメ系をやっている若い役者たちの年齢が上がってきて、僕たちのほうに参加してきているんですよ。

林:素晴らしいですね、それは。

石丸:お客さまも彼らとともにこっちの舞台も見てくれるようになり、役者も観客も若手の下支えができるようになった。おかげで、業界として活性化してると思いますよ。

林:お客さんも、年齢が上になると本格的なものが見たいと思うようになって、成長してきますよね。

石丸:なおかつ、フレッシュな俳優を見たいという既存の観客の思いにも応えられる。このように若い男性がたくさんミュージカルの舞台に立つようになり、僕らにとってはうれしいですね。

林:いいですね。演劇業界はネットに侵されることもなく。出版業界は根こそぎネットにやられちゃいましたけどね。本は売れないし、本を読む習慣もなくなっちゃって。

石丸:僕も本は好きなんですけど、最近は電子書籍で読んでいます。あれだと字を大きくして読めるじゃないですか。

林:本といえば、「銀座百点」の石丸さんのエッセー、毎回楽しみに読んでいました。

石丸:3年間やって、連載が終わりました。

林:終わっちゃったんですか。おもしろかったのに。えーっとタイトルが「銀座の怪人」じゃなくて……。

石丸:「きょうも、どこかへ」という連載でした。

林:ごめんなさい。つい「オペラ座の怪人」とダブっちゃって(笑)。

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