昨年4月に旅行でロシアを訪れた30代の男性は、危うくテロに巻き込まれるところだった。男性は古都サンクトペテルブルクで移動の際には地下鉄を利用したのだが、サンクトペテルブルクを離れた翌日、地下鉄で爆破テロが発生した。

「前日には平和な雰囲気で、テロなんか起こるような都市にも思えなかったので、背筋が凍りました」
 ロシアは、チェチェン問題などを抱えていることもあり、テロがしばしば発生している。ポーランド戦の開催都市ボルゴグラードでは2013年に連続爆破テロが発生している。

 外務省はロシアの危険度を、「十分注意してください」という「レベル1」とする。4段階で一番下のレベルだが、油断は禁物だ。

 外務省は現地で安全にW杯観戦を楽しめるように、「安全の手引き」を在ロシア日本国大使館特設サイト上で公開している。また、日本代表の試合がある都市では、大使館が臨時事務所を開設する。

 4年に1度のお祭りを楽しむのはもちろんだが、ロシアの旅路はくれぐれも気をつけたほうがよさそうだ。(本誌・大塚淳史)

週刊朝日 2018年6月22日号