井上雄彦「アルバルク東京 Bリーグ初V “王朝”誕生の予感」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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井上雄彦「アルバルク東京 Bリーグ初V “王朝”誕生の予感」

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清水寿之週刊朝日
表彰式で喜ぶA東京の選手たち(撮影/写真部・馬場岳人)

表彰式で喜ぶA東京の選手たち(撮影/写真部・馬場岳人)

井上雄彦(いのうえ・たけひこ)/漫画家。高校バスケットが舞台の『スラムダンク』はバスケブームを巻き起こした。6月から新たにカバーイラストを描き下ろした『スラムダンク』新装再編版(集英社)が順次発売。一昨年から朝日新聞で選手との対談企画「B.LEAGUE 主役に迫る」を連載中(撮影/週刊朝日編集部・秦正理)

井上雄彦(いのうえ・たけひこ)/漫画家。高校バスケットが舞台の『スラムダンク』はバスケブームを巻き起こした。6月から新たにカバーイラストを描き下ろした『スラムダンク』新装再編版(集英社)が順次発売。一昨年から朝日新聞で選手との対談企画「B.LEAGUE 主役に迫る」を連載中(撮影/週刊朝日編集部・秦正理)

CSのMVPに輝いたA東京の田中大貴選手(右)(撮影/写真部・馬場岳人)

CSのMVPに輝いたA東京の田中大貴選手(右)(撮影/写真部・馬場岳人)

 今季の千葉は天皇杯を連覇し、レギュラーシーズンでは東地区でA東京を抑えて優勝。本当に勢いを感じさせるチームでした。でも、ファイナルを見る限り、やっぱり一足飛びにはいかない、一歩一歩なんだな、と思わされました。初優勝は持ち越されたわけですが、彼らも納得の準優勝だったのではないでしょうか。

 富樫選手は、167センチの身長であれだけのプレーができる特別な選手です。今回のファイナルは、さらに上の存在になるためのレッスンだったのだと思います。来季は一回り大きくなった自分を携えて、コートに戻ってきてくれることを期待しています。

 Bリーグがスタートする前は、リーグの知名度を上げるために、日本人初のNBA選手となった田臥勇太選手(栃木)ばかりを前面に押し出さざるを得なかった。世間に対してわかりやすいアイコンがないと、リーグが成り立たない局面にありました。

 それが2シーズン目には、レギュラーシーズンの最優秀選手(MVP)に比江島慎選手(三河)が、CSのMVPには田中大貴選手(A東京)が選ばれました。27歳と26歳。Bリーグの今を担うべき若い世代の2人が、名実ともにリーグの顔になったわけです。いろんな選手にフォーカスが当たる局面へ。Bリーグが、一段階上のステップに上がったと感じます。

 Bリーグは秋に3シーズン目を迎えます。過去2シーズンで、行けるところまでは進んだと感じます。でも、これはまだプロセス。さらに向上してほしいからこそ、あえて、満足していないと言いたいです。

 比江島選手、田中選手の2人を中心に、そこへ絡んでいったり、別の路線を歩んだりして、世間の誰もが知るような選手が何人も出てきてほしい。これはリーグが始まったときから一貫している僕の願いです。

 難しいのはわかりますが、日本選手にぜひ、得点王やリバウンド王争いに食い込んでもらいたいと思います。強力な外国人選手に立ち向かうことで、日本代表の国際競争力が引き上げられると考えるからです。強い代表を見たいと望むのは、僕だけではないはずです。
 台頭してきてほしい選手のタイプが、二つあります。

 まずは、200センチを超えるような日本人の長身選手。国際試合で屈強な海外の選手の中に入って体を張れる、チームの土台になれる選手が欲しい。コメント力があって、キャラの濃い選手だとなおいいですね。

 もう一つは、規格外のシューターです。パスを受けたら何でもかんでもシュートを打ち、それを決めるような選手。「なんなんだ、このシュート力は」と驚かせてくれる、漫画の世界に出てくるような、常識を壊す選手を見たいですね。

(聞き手/朝日新聞スポーツ部・清水寿之)

週刊朝日 2018年6月15日号


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