ファンと語らうありし日の井上堯之さん(c)朝日新聞社
ファンと語らうありし日の井上堯之さん(c)朝日新聞社

 ギタリストとしてテレビドラマ「太陽にほえろ!」のテーマ曲、沢田研二のバックバンドで活躍し、作曲家としても「愚か者」で日本レコード大賞を受賞した井上堯之(たかゆき)さんが、5月2日、敗血症のため亡くなった。77歳。

 元ザ・スパイダースのギタリスト。5日の通夜には、堺正章、井上順ら、かつてのメンバーも参列、「お別れ会」も検討するという。

『私的「昭和大衆歌謡考」』シリーズの著者で昭和歌謡研究家の堀井六郎さんは、「私にとっての“スパイダースの井上さん”は、順ちゃんよりも孝之さん(当時)。若くてハンサムなリードギタリストは、当時のエレキ小僧のあこがれでした」と、往年を振り返る。

「マチャアキ、順ちゃん、ムッシュのように前面に出てパフォーマンスするわけではなく、キーボードの大野克夫さんとともに音楽的な黒衣としてバンドを支えました」(堀井さん)

 スパイダース解散後は、沢田研二、萩原健一らとともに「PYG」を結成。リーダーをつとめた。

「昭和歌謡の一時代を築いたジュリーとともにGSの遺産を守ってくれ、弟分のようなショーケンのドラマでの疾走感は、テーマ曲を担当した井上堯之バンドのサウンドとの相乗効果でいっそう加速された気がします」(同)

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