東大医学部附属病院
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2018年国公立大医学科合格者数トップ30(週刊朝日 2018年4月27日号より)
2018年国公立大医学科合格者数トップ30(週刊朝日 2018年4月27日号より)

 週刊朝日ではサンデー毎日、大学通信との合同調査による「2018年国公立医学科合格者数トップ30」を作成した。そこでは地方の強さや寮生活という共通項などが分かった。

【2018年国公立大医学科合格者数トップ30はこちら】

 しかし、ランクインしていないところでも、医学部受験に力を入れている高校はいろいろある。医学部専門予備校「メディカルラボ」の可児良友・本部教務統括に挙げてもらった。

 公立では仙台第二(宮城)、県立浦和(埼玉)、岡崎(愛知)など。

 私立では立命館慶祥(北海道)、栄東(埼玉)、東京の巣鴨、広尾学園、桐朋。神奈川の逗子開成、浅野や、愛知の愛知、名古屋、鶯谷(岐阜)、高田(三重)。大阪の清風、高槻や、福岡大附大濠(福岡)、弘学館(佐賀)などだ。

 医学部専門予備校「進学塾ビッグバン」の松原好之代表は次のように語る。

「大阪には、四天王寺のように医学部志望者のためのコースを設置している高校として、大谷、帝塚山学院泉ケ丘、近畿大附属などもあります。病院での体験学習や医師による講演会などのキャリア教育で、医師の仕事や医療倫理などを学んでおくと面接のときに役立ちます。私大医学部を目指すなら、推薦枠がある付属高校もお勧めです。地方の受験生は、地元の国立大の地域枠を狙うといいでしょう」

 付属高校があるのは慶應義塾大、日本大、東邦大、東海大、近畿大、福岡大など。岡山の川崎医科大附属は全寮制で、医大への内部進学率は約9割になる。医師になるためのプログラムが、高校時代から多数用意されている。

 医学部志望者向けのコースやプログラムがある私立は、ほかにも広尾学園、埼玉の開智や秀明、暁星国際(千葉)、江戸川学園取手(茨城)などがある。

 公立では新潟(新潟)のほか、同じ新潟の長岡や高田にメディカルコースがある。仙台第二には医師を志す生徒をサポートする「医進会」が10年度からある。病院見学や医師の講演で、医療現場の厳しい現状や心構えなどを学べる。

 都立の戸山も、医師を目指す心構えを育てる「チーム・メディカル」を16年度から始めた。放課後や夏休みなどに活動し、医学に関する課題研究発表会もある。

「都立病院での内視鏡体験や手術室、集中治療室等の見学、医学部での体験授業、卒業生の医師や医学部教員による講演会などで、医師としての倫理観や使命感、社会的責任に対する自覚を育んでいます」(布施洋一校長)

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