第三共和制は、市民が主役となって真っ当な政治をめざすということなのか。

 当面の関心は大統領が誰に組閣を任せ、どんな連立政権となるか、にある。

 順当に行けば最大勢力の右派連合による組閣。だが、首相が右翼のサルビーニでは連立はまとまらないというのが現地の見方だ。ベルルスコーニは欧州議会議長のアントニオ・タジャニ氏を立て、民主党と大連立を組むという筋書きが語られているが、排外主義の同盟と組むことへの抵抗が民主党にある。サルビーニとベルルスコーニの対立が報じられ、右派内部がまとまっていない。

 次の選択が五つ星への組閣要請だろう。「他党が我々に提案を持ってくる番だ」とディマイオ代表は受け入れる構えだ。政権を取るには妥協が欠かせない。既成政党を批判してきた五つ星が、どの党と組むか、動向に関心が集まる。連立が失敗して組閣できなければ、再選挙が浮上する。「我々は再選挙を恐れない」。上り調子の五つ星は政局に手ごたえを感じている。(ジャーナリスト・山田厚史)

週刊朝日  2018年4月6日号