これでツアー10勝目ですか。試合後の記者会見で明かしたそうですが、勝てなかった2年の間に体調が悪くなり、体重を7、8キロ落としたんですってね。奥さんと引退を話し合った時期もあったそうです。39歳ですもんね。僕らの業界ではいろんな難しさが襲ってくる年齢です。みんな、いろんな事情を抱えてやってるんですよね。

 そんなワトソンは得意とするリビエラですが、タイガーが10回以上試合に出て優勝のないのがリビエラだけだそうですし、僕も04年に一度だけ優勝争いをした以外は散々でした。ここの難しさの要因の一つが「キクユ」という芝なんです。ラフとグリーンのカラーに生えてるんですけど、葉が太くて強い。ラフではクラブに絡みつきますし、カラーでは気まぐれにボールを弾ませる。

 アプローチのときに「カラーでクッションさせたいけど、止まったらどうしよう。キャリーで狙ったら止まらないだろうし……」なんて悩んだ時点で、もう大概はうまくいかない。ほんとにやっかいな芝です。

週刊朝日  2018年3月9日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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