「大杉漣ならではの匂いがあった」映画監督・崔洋一が追悼 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「大杉漣ならではの匂いがあった」映画監督・崔洋一が追悼

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日
変幻自在に役をこなした大杉さん(c)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会

変幻自在に役をこなした大杉さん(c)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会

 俳優大杉漣さんが2月21日未明、千葉市内の病院で急性心不全のため亡くなった。享年66。大杉さんは「ソナチネ」や「アウトレイジ」など北野武監督の作品で名を上げ、サラリーマン、首相、ヤクザなど、役柄を演じ分ける“カメレオン俳優”や“名バイプレーヤー”と称された。

 かつて映画で大杉さんを起用した崔洋一監督が振り返る。

「お互いの名前を意識したのは40年くらい前。彼が転形劇場(劇団、既に解散)で活動し、僕が助監督をやっていたころです。お互いになんとなく知ってはいました。映画『マークスの山』(1995年公開)で、わずかなシーンなのに彼の演技が素晴らしかった。自称右翼のテロリスト役で後ろから警察官を刺すんですが、返り血で血まみれの中で演じた演技がすごかった。一シーンではなく、きちんと長いスパンで彼とお仕事をしようと、映画『犬、走るDOG RACE』(98年公開)の出演につながりました」

 崔監督は世間で言われるような“カメレオン俳優”という印象を持たなかったという。

「『何でもできる大杉漣』かもしれませんが、『何をやっても大杉漣』というのが僕は好きだった。俺が俺がではなく、なんとなくヒョロヒョロと歩いているんだけど、大杉漣ならではの匂いがあった」

 最後に話したのは2カ月前。大杉さんから崔監督に電話があった。

「かつて(大杉さんの出身地である)徳島にイベントで一緒に出かけて、彼が高校時代に通ったラーメン屋で撮影した写真があるんですが、それをどこかのサイトで『使いたいからいいかな?』と連絡があったのが最後です。『また(一杯)行こう』って話をしたところだったんですが……」

 ドラマ「バイプレイヤーズ」は全5話のうち、4話と5話はまだ撮影の途中だが、テレビ東京は放送を続けることを発表した。撮影が終わっているテレビ番組や映画は、ほかにもある。まだ、お別れしたくない。多くの人がそう思っているに違いない。合掌。(本誌・大塚淳史)

週刊朝日 2018年3月9日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい