私が振りこんだ400万円は、圭君の大学の入学金や授業料、留学のお金なのですが……。

 佳代さんは圭君の就職の話を切りあげ、生活の困窮ぶりについて話を戻しました。「私も一応、婚約という形を考えておりましたので、将来が不安定になります。私も仕事がいつクビになってもおかしくない状態で、にっちもさっちもいかない。婚約が破棄になりましたのでいろんなことを考えていかなければいけないのです。女がひとりで生きて行くのは難しい状況なのです」、と。

 彼女はこうも言いました。「私にも他に求婚してくれた人がいました。でも断ったんです」と。

 2010年から2年余りの婚約期間でしたが、ふたりで出かけたのは、数えるほどです。必ずと言っていいほど圭君がそばにいました。恋人らしい思い出は、青山のバーに誘ったときに駅から数分、手をつないだぐらいです。佳代さんは婚約の破棄による不利益を主張し続けましたが、私が思い描いていた婚約関係とはだいぶ違いました。

 私は、決してお金が余っているわけではありません。愛車だった英国車、それに2017年12月には自宅マンションを売却しました。あの400万円があれば手放さなくてもよかったのに、と今でも思います。400万円の報道がいくつもなされましたが、小室家からはいまだに連絡はありません。(本誌・永井貴子)

※週刊朝日オンライン限定記事