

ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。フェイスブックのフェイクニュース対策を解説する。
【写真】フェイスブック最高経営責任者のマーク・ザッカーバーグ氏
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世界最大のSNSであるフェイスブックはどのような役割を担うべきか──。2016年の米大統領選挙でフェイクニュースの拡散やロシアによる情報操作を許したことで、同社に対して厳しい批判は高まるばかりだ。なかなか状況を改善できない同社が出した答えは、利用者の「関心」を満たす場から「つながり」を育む場へ転換するということだった。
1月11日、フェイスブックは「ニュースフィード」のあり方を大きく変えることを明らかにした。更新情報が一覧で表示されるニュースフィードはフェイスブックのメインともいえる機能だ。表示される投稿の優先順位を決めるアルゴリズムを大きく変更し、ユーザー間のコミュニケーションを促すコンテンツを重視するという。
つまり、今後は友人や家族など身近な人の投稿が表示される頻度が増える一方で、フェイスブックが「パブリックコンテンツ」と呼ぶ、メディアや企業が発信する記事やビデオ、写真などが表示されにくくなるということだ。
フェイスブックはこれまで、利用者の関心を満たすコンテンツを予測し、それをニュースフィード上に表示することを重視してきた。メディアや企業にもそうしたコンテンツを投稿するよう求め、利用者がフェイスブックに滞在する時間は延びていった。