哲学を学んで医学に進め 医者に求められる大切なこと (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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哲学を学んで医学に進め 医者に求められる大切なこと

連載「貝原益軒 養生訓」

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帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

すぐれた医者を育てるにはどうすればいいか(※写真はイメージ)

すぐれた医者を育てるにはどうすればいいか(※写真はイメージ)

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。貝原益軒の『養生訓』を元に自身の“養生訓”を明かす。

*  *  *
【貝原益軒養生訓】(巻第六の31)
凡(およそ)医となる者は、先(まず)儒書(じょしょ)をよみ、
文義(ぶんぎ)に通ずべし。文義通ぜざれば、
医書をよむちからなくして、医学なりがたし。

 すぐれた医者を育てるためにどうすればいいのかは、長年の課題ですが、なかなかいい答えが見つかりません。

 益軒は医者についての考えを養生訓で様々に語り、そのなかで「およそ医者になる者は、まず儒書を読み、その文章の意味がわかっているべきだ」(巻第六の31)と言い切っています。

 このことは唐代初期の名医、孫思ばく※(そん・しばく)も言っていることだというのです。

「孫思ばくはいう。『凡(およ)そ大医となるには先ず儒書に通ずべし』。さらに『易(えき)を知らざれば、以て医となるべからず』ともいう。この言葉は信じるべきである。諸芸を学ぶためには、まず学問を基本にしなければならない。学問がなければ、技術に習熟しても学理にくらく、技術はそれ以上に高まらない」(同)

 儒書とは儒学を説いた書物です。ご存知の通り、儒学とは孔子が唱えた政治倫理思想を体系化したもので、中国の学問の中心にすえられています。

 日本では儒書のなかでも重要な書物である四書五経のひとつ、論語がよく知られています。易とは易経のことです。古代の占術を儒家が取り入れて体系化した書物で、四書五経のひとつにあげられます。その理論は陰陽の二元をもって天地間の万象を説明するものです。

 すでに述べたように(2017年12月22日号)中医学の理論の柱は陰陽五行学説です。ですから、まずは儒学ないしは易経を学んで陰陽五行の哲理を十分に理解してから、医学に進めというのです。


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