カトリーヌあやこが絶賛! 宮藤官九郎×小泉今日子ドラマの魅力は? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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カトリーヌあやこが絶賛! 宮藤官九郎×小泉今日子ドラマの魅力は?

連載「てれてれテレビ」

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カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

(c)カトリーヌあやこ

(c)カトリーヌあやこ

 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「監獄のお姫さま」(TBS系 火曜22:00~)をウォッチした。

【クズ男を演じる伊勢谷友介のイラストはこちら】

*  *  *
 脚本家・宮藤官九郎は、おばちゃんと男子中学生でできていると思う。ずーっとしゃべってるところはおばちゃん。ずーっとふざけてるところは男子中学生。

 そんな宮藤脚本のドラマ「監獄のお姫さま」は、おばちゃんがずーっとしゃべりながら、ちょいちょいふざけてるドラマだ。刑務所から出所した馬場カヨ(小泉今日子)、勝田千夏(菅野美穂)、足立明美(森下愛子)、大門洋子(坂井真紀)の4人が、刑務官だった若井ふたば(満島ひかり)と共に板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐し、吾郎の婚約者だった社長令嬢・江戸川しのぶ(夏帆)の冤罪(恋敵殺害を企てた)をはらそうとする物語。

 このドラマ、とても舞台っぽい。まず、ほとんど刑務所や倉庫(監禁場所)といった密閉空間で物語が進行する。初回からまったく説明の無い入り。人間関係も謎だ。かつて「たのきん(田原俊彦、野村義男、近藤真彦)映画」というものがありまして、冒頭「トシちゃん!」と呼びかけられた田原が振り返って叫ぶ。「マッチにヨッちゃんじゃないかー!」と、わかっちゃいるのに頭から全部説明するシステム。もうね、そういうのと真逆。舞台はいつも静かに手探りで始まる。2017年のクリスマス・イブから、2011年の女子刑務所まで自由に入れ替わる時間軸。女たちがムショ入りするきっかけとなったクズ男を、回想シーンではすべて伊勢谷が演じている。そんな変幻自在の一人何役も舞台ならおなじみだ。さらに登場人物はみな秘密を抱えていて、いずれ仮面の下の真実が明らかになるのがセオリー。

 物語とは関係なく、客席を温めるギャグやパロディーも必須だ。今回も「意識高い系ムショ」とか「やすらぎの里という名の介護施設」などツボを突くフレーズが炸裂(さくれつ)する。メインキャスト以外でも一瞬の爪痕を残す見せ場あり。だってその役者の親や親戚が、舞台見に来てるかもしれないでしょ。そんな劇作家の親心があふれ出る。

 舞台は暗闇を疾走するジェットコースターだ。一度乗ったら、結末という終点まで降りられない。でもほらテレビって明るい照明の下で、のん気に気を散らしながらうっかり見てるでしょ。このドラマ、照明消して固唾を呑んで視聴したら、スタオベしたくなるくらい感動するかもしれなくて。

週刊朝日 2017年12月22日号


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