習近平の「トイレ革命」が後押し? TOTO株価が絶好調 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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習近平の「トイレ革命」が後押し? TOTO株価が絶好調

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大塚淳史週刊朝日#中国
習近平・国家主席 (朝日新聞社)

習近平・国家主席 (朝日新聞社)

ドアのない中国の公衆トイレ(朝日新聞社)

ドアのない中国の公衆トイレ(朝日新聞社)

TOTOが8月に発売したウォシュレット一体型便器「ネオレストNX」。中国でも10月から発売している/同社提供

TOTOが8月に発売したウォシュレット一体型便器「ネオレストNX」。中国でも10月から発売している/同社提供

 住宅設備大手TOTOの株価が堅調だ。2017年4~9月期中間決算が過去最高益となるなど業績好調なうえ、中国の習近平国家主席が掲げた「トイレ革命」が、「買い」の材料となっているようだ。

【トイレのビフォーアフターはこちら】

 4千円台前半で推移していた株価は、9月上旬からじわじわと上昇。中間決算の発表があった10月30日には、前営業日の終値から450円高と急騰し、5460円に。11月末には6千円台にのせた。

 11月末の上昇局面で材料視されたのが、トイレ革命の指令。11月27日、中国の新華社通信などで、観光業発展のためにトイレを整備せよという指示が報道された。このニュースに投資家が反応したようだ。

 TOTOの9月中間期の決算で、グローバル住設事業の中国での売上高は前年比15%増の343億円と好調だった。同社は中国事業を強化しており、上海など都市部のオフィスビル、高級ホテル、国際空港など、各所で同社のトイレを見かけるようになった。

 TOTO人気は中国の一般家庭でも広がっている。数年前、訪日中国人客のお土産ランキング上位にウォシュレット(温水洗浄便座)が入っていたことは、記憶に新しい。9月中間期の中国でのウォシュレット販売台数は、前年同期比で25%増だった。

 中国での人気について、同社広報部は「早くから進出しており、ブランドを認識して頂いている。中国ではトイレの節水規制があるが、『一回流してきちんと流れるトイレ』として技術力が評価されている」と説明する。中国のトイレは水の勢いが弱く、紙を流すと詰まることが多い。便器横にお尻を拭いた紙を捨てる容器があるトイレも多い。

 中国経済が専門のニッセイ基礎研究所の三尾幸吉郎上席研究員はこう話す。

「中国は以前から、都市部と観光地でトイレの改善に取り組んでいる。(株価急騰の理由は)共産党大会が終わって習近平の一強体制が固まり、その後に打ち出された『トイレ革命』というインパクトが大きかったのではないか。中国には数多くの観光地があるが、外国人観光客は思ったほど伸びていない。理由の一つにトイレの汚さがあり、きれいにして観光促進につなげろという指示になった。衛生面が改善すれば、経済にも好影響が出そうだ」

 中国と言えば、「ニーハオトイレ」を想像する人も多いだろう。和式便所と同様にしゃがんで用をたすスタイルだが、便器はなく床にくぼみがあるだけ。隣との敷居は無いか、あっても低い。汚くて匂いがすさまじいトイレも多い。都市部では今や少なくなったが、田舎の観光地や農村だとまだまだ残っている。

 新華社通信によると、全国の観光地などの公衆トイレ約6万8千カ所がこの2年間で改善されており、今後も進めていくという。トイレ革命の号令に乗り、TOTOブランドを中国で目にする機会が増えるかもしれない。(本誌・大塚淳史)

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