──「HiGH&LOW」でAKIRAさんは琥珀という伝説の元総長を演じています。迫力と存在感がすごいですね。

 琥珀は最強の存在ですからね。「最強とは何か」ということを考えたとき、光のある人、トップに立つ人というのは、それと同じくらい多くの闇を抱えているんじゃないかと思いました。琥珀は自分の過ちによって龍也(井浦新さん演じる琥珀の親友)を失い、その十字架を背負っている。とくに今度公開される「FINAL MISSION」では、いろんなものを抱え、さらに研ぎ澄まされた琥珀になっている。それを表現できればと思いました。俳優活動に専念されている方と比べると、僕らが出演できる作品の本数はどうしても少なくなる。でも、普段の生活のなかにも、演技の肥やしになることはたくさんあると思うんです。EXILEとしてのステージをはじめ、出会いや経験を一つひとつ丁寧に重ねていくことが、人間的な深みや男としての懐の深さにつながる。それが自分自身の雰囲気やオーラとなって、演技に反映されていくと信じています。僕がそう考えるようになったきっかけは、HIROさんなんです。HIROさんは俳優活動はされていないんですけど、醸し出す雰囲気がとにかくすごいんですよ。ドラマや映画の現場でも、「HIROさんは役者やらないの?」ってよく聞かれます。HIROさんは誰よりもいろんなことを考えて、僕らを率いて、いろんなエンターテインメントを作り上げていく、そのパワーがあるからこそ、そういうオーラを持っていられるのだと思います。もちろん、演技の技術的な面も大切ですが、「AKIRAという人間を使いたい」と思っていただけるような存在になれたら、うれしいです。

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