ナスDも、なんのためらいもなく猿の丸焼きにかぶりつく。「鶏肉の食感で味は牛です。すごい弾力、回転寿司のツブ貝みたい」。取り憑いている悪霊がスラスラと感想を述べているとしか思えない。

 そんな悪霊を祓(はら)うために、呪術医は儀式をとり行う。怪しげな液体を飲まされ、暗闇の中、悪霊祓いの歌がこだまする。鬼気迫る呪術医の表情。儀式に参加している村人たちはバタバタ倒れていく。しかしナスDに変化はなし。結局8時間が経過し、根負けした(?)呪術医は「悪霊はお腹に入ったので、明日出るよ」と宣言。その悪霊、ピロリ菌かーい。日本のテレビマンに取り憑いた悪霊、そう簡単に落ちるはずがない。

 ちなみにこの儀式の前、ナスDは部族の女性から「その色、落とせるわよ」と言われてさっそく実行。漂白剤と洗剤を溶かした液体で2日間ゴシゴシこすられたら、あら不思議。元の肌色に戻りました。

 皮膚に漂白剤って平気なの?とか、それで落ちるならとっくに落ちてるだろうとか思いつつ、なんせすべては悪霊次第なんだからと、深く納得したのだった。

週刊朝日 2017年11月3日号

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カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など。

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