管理費と修繕積立金がどちらも月3万円ずつとすると、年間72万円の支出となる。

 上念氏の予測では、都心の人気タワーマンション(タワマン)も月日の経過とともに、「越後湯沢化」するという。

「タワマンは上の階ほど傷みが激しい。ところが修繕積立金については全戸平等。しかも、一部で国土交通省が推奨する金額よりもだいぶ安く設定されている。私が調べたところ、ひどいところでは約10分の1でした」

 人もうらやむようなタワマンもいずれは老朽化する。

「11年目から修繕積立金は今の4倍、10倍に上がることも考えられる。家を買うと『牢獄』みたいなものです」

 都内には、不動産会社が開発したニュータウンが各地に広がる。「あちこちを開発し、食い散らかしては捨てていく。かつては人もうらやむ街だったのに、高齢者ばかりが住み、銀行やスーパーは閉店してしまったエリアがそこらじゅうにある」

 上念氏は車も条件付きで「買うな」と提唱する。

「駐車場代、ガソリン代、重量税、保険、車検などの維持費がかかります。家と同じで、買った瞬間にお金を払う権利、つまり負債を買うことになります。だから買うなら維持費を埋めて余りあるリターンがその車から生まれるかどうか、です」

 基準は「週6日以上」の乗車率だという。

「私はかつて車を持っていたときは週に6日以上、仕事プラスお買い物に使っていました。だから買ったんです。車を道具として乗る人は買っていいと思う」

 地方は車社会。自宅からどこへ行くにも車がなければ生活できない。

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