大手民鉄16社の2016年度の輸送人員 (週刊朝日 2017年8月18-25日合併号より)
大手民鉄16社の2016年度の輸送人員 (週刊朝日 2017年8月18-25日合併号より)
中京圏の主な駅の1日の利用者数(2016年度) (週刊朝日 2017年8月18-25日合併号より)
中京圏の主な駅の1日の利用者数(2016年度) (週刊朝日 2017年8月18-25日合併号より)

 ポケモンGOの影響で利用者が増えた駅もある。本誌は主要鉄道会社の2016年度の駅別利用者数のデータを集め、独自に分析・集計し“流行る駅”と“流行らない駅”を調査。最新の動向から、中京圏での変化を追う。

【中京圏の主な駅の1日の利用者数はこちら】

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「ポケモンGOの影響で利用者が増えました」

 名古屋市営地下鉄の担当者はこう話す。地下鉄の駅から近い鶴舞公園は、アイテムが手に入りやすい「ポケモンの聖地」として話題になった。ポケモンGOで遊ぶ人が増えた昨夏以降、利用客が大きく伸びたという。鶴舞は前年比4.2%も伸びた。

 鶴舞に限らず、名古屋市営地下鉄は、全体的に利用者が増えた駅が目立つ。堅調な地域経済を背景に、通勤定期の利用者も増えた。

 地下鉄の好調ぶりには、大学のキャンパス移転も影響しているようだ。ナゴヤドーム前矢田は、前年比3.6%増。駅前には、名城大学ナゴヤドーム前キャンパスが16年春にオープンし、外国語学部が新設された。17年春から都市情報学部、人間学部も移転しており、17年はさらに増える可能性がある。

 地下鉄の名古屋は前年比2.7%増で、JR東海の名古屋は2.2%増と、ともに堅調だ。駅周辺では、大規模な再開発が進む。16年3月には「大名古屋ビルヂング」が、6月には商業施設「KITTE名古屋」が、11月には大型複合ビル「JRゲートタワー」のオフィス部分が開業した。

 JR東海の金山は、前年比3%増の高い伸び。名古屋駅に近く、名古屋鉄道、市営地下鉄とも接続している便利な駅だ。また、関西と同様に、空港のアクセス駅は好調。名鉄の中部国際空港は前年比3.1%増えた。

 苦境に陥っている関西の電機メーカーとは対照的に、中京圏の自動車メーカーや部品メーカーは全体的に底堅い。トヨタ自動車の本社が近い名鉄の豊田市は、前年比3.4%増えている。

 東京・品川と名古屋間は、27年にリニア中央新幹線で結ばれる予定だ。一方で、名古屋以西の大阪への延伸は、まだルートも決まっていない。中京圏と関西圏の駅とを比べると、地域の勢いの違いがよくわかる。

週刊朝日  2017年8月18-25号