実は、小島さんの夫はがんを再発して闘病中。それでも夫婦は前向きだ。シナリオを何度でも書き直すことで、不可抗力で思い描いていた線から脱線しても、軌道修正して人生を歩んでいく力が湧いてくるというのだ。
ただ、他人の物差しで人生の価値を測っては、自信をもって生きられない。
「50歳からもっとも大切なのは、自己理解。決して他人の人生と比較しないことです」
最後に、仕事も含めて、腹八分目に生きることを小島さんは提案する。
「おいしいものでもおなかいっぱい食べると胃もたれしちゃいますよね」
がむしゃらに進むのではなく、自分の心に忠実に、一日一日を前向きに生きる。そういう人が増えれば、100歳人生時代が来ても、社会は明るいだろう。
【充実した100歳人生を全うするための5箇条】(小島さんの話をもとに編集部で作成)
【1】やり残したことをやる
今まで先延ばしにしていたやりたいことはありませんか。いくつになっても挑戦はできるのです。
【2】新しい役割を見つける
妻・夫、母・父などこれまでの役割を手放して、新しい役割を見つけ、個性を生かしましょう。自分の価値を見つけましょう。
【3】緩いつながりを作る
家族以外のつながりを多く作ることはセーフティーネット。依存せずに自立しましょう。孤独を怖がらずに。
【4】考え方は引き算より足し算
自分にも他人にも減点評価していたら楽しくありません。「年だから」と考えずに、年をとったからこそ見える景色に気づきましょう。
【5】他人と比較しない
人生の定規は自分で作れます。他人を見るより自己理解を。50歳になったら自分自身を見つめましょう。
※週刊朝日 2017年8月4日号