海老蔵を支え続けた真央さん (c)朝日新聞社
海老蔵を支え続けた真央さん (c)朝日新聞社

 乳がんで闘病中だった小林麻央さんが、34歳の若さで亡くなった。「僕を変えた奥さん」と会見で語った市川海老蔵。かつて“やんちゃ”伝説を打ち立ててきた彼にとって、まさに改心の支えだったのだろう。「愛してる」と告げ、幼い子供を残して旅立った妻に、何を誓ったのか。

【写真】小林麻央さん 在りし日の姿で

 6月23日午後。会見に臨んだ歌舞伎俳優の市川海老蔵の目元は、落ちくぼんでいた。乳がんを患った妻・小林麻央さんの闘病生活に寄り添ってきた2年8カ月の時を刻むような、重々しさがあった。

「彼女は、治ったら、多くの人の救いになれるような存在になりたいと、一生懸命闘病していました」

 その思いに応えようと、海老蔵は奔走していた。

 海老蔵が京都で通う酵素風呂の店を、本誌は麻央さんが亡くなる前日、取材していた。

 殺菌力のあるヒノキのおがくずに米ぬかなどを入れて自然発熱させ、その中に入る酵素風呂。

「海老蔵さんは2週間ほど前にも来店しました。その時、麻央ちゃんの具合どう?と聞いたら、『うーん。あまり良くない』と言っていたんです」(オーナー)

 海老蔵が家庭用の酵素入浴剤を購入するようになったのは昨年のこと。1カ月という余命宣告を医師から受けた時期と重なる。本格的な酵素風呂を自宅に入れたようで、4月4日の麻央さんのブログには、「久しぶりの酵素風呂」のタイトルで笑顔を浮かべる写真が公開された。前出のオーナーによると、顧客の9割はがん患者だという。
 海老蔵は歌舞伎役者が足しげく通う都内の鍼灸院を夫婦で訪れ、麻央さんの快復を願い、パワーストーン店で石も購入。藁にもすがる思いだったに違いない。

 会見に戻る。「どんな奥さんだったか」と質問された。海老蔵は、「僕を変えた奥さんではないでしょうか」と、しみじみと語った。

 かつての海老蔵は、“やんちゃ”を絵に描いたような奔放な生き方をし、トラブルも抱えていた。麻央さんとの結婚前、海老蔵は女性歌手との間に隠し子が発覚。その後も、女優の米倉涼子や宮沢りえらと浮名を流した。芸能ジャーナリストの佐々木博之氏はこう言う。

「ほんとにやんちゃでしたね。結婚披露宴から4カ月ほどで、東京・西麻布の飲食店で暴行を受けた事件が起きた。あの時、離婚のうわさも出たくらいです」

 事件は転機となった。

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