小池氏の長期戦略に関して、最近、見過ごせない動きがあったという。キーワードは、小池氏がかつて所属した「日本新党」だ。ある与党関係者がこう語る。

「小池氏は6月1日の定例会見で、自民党へ離党届を提出したことについて、『私の原点は日本新党でございましたので、25年経って原点に戻ったという感じがいたします』と発言した。これと歩調を合わせるように、翌2日、民進党の前原誠司元外相が都内で開かれた細川護煕元首相の個展に顔を出し、『日本新党が私の原点。二大政党制を確立させたい』と訴えているんです」

 奇妙なタイミングの一致は、何を意味するのか。細川氏は日本新党を率いた1993年7月の衆院選で「新党ブーム」を巻き起こし、55年体制を終結させて首相となった。小池氏、前原氏はこのとき、ともに日本新党から出馬して衆院に初当選したという縁がある。前出の与党関係者が続ける。

「小池氏は、民進に見切りをつけた前原氏との新党結成を視野に入れているのでは。それに、石破茂氏。党内政局で麻生太郎財務相や二階幹事長にかついでもらえず総裁の目がなくなれば、自民を離党して合流する選択肢もある。小池氏と石破氏はともに元新進党で、小池氏は12年の自民党総裁選で石破氏を支持。前原氏と石破氏はともに防衛通で鉄道オタクという共通点があり、波長が合う。小池・前原・石破の3氏に野田聖子氏なども巻き込んでいけば、点が線となり、大きな力になる可能性がある」

 日本新党は93年6月の都議選で20議席を獲得して第3党に躍り出た勢いのまま、翌7月の衆院選で政権交代を実現した。その皮算用が実現する日は来るのか。(本誌取材班=亀井洋志、村上新太郎、小泉耕平、上田耕司)

週刊朝日 2017年6月30日号より加筆