──安倍政権は、この問題を早く幕引きにしたいようだ。4月17日には安倍首相が都内の商業施設のイベントで山口県産品がないことを指摘して「(私の思いを)忖度(そんたく)していただきたい」とジョークにした。一方で、大阪地検に告発されている籠池氏については、永田町では「連休明けにも逮捕され、国会での追及は幕引きになるのではないか」とうわさされている。

 籠池氏は泰然自若としています。安倍首相にはまだ、一定の敬意を抱いているようです。そこは一貫している。「忖度」のジョークは鼻で笑っていましたが、「忖度」という言葉が独り歩きしていることに違和感があるそうです。

 籠池氏は、「あれは忖度ではなく、『ご下命』があったんだよ」と言います。「忖度だけで、官僚はあんなに動かない。上から明確な指示があったから動くんだ」と。やりとりの音声記録について財務省が「データの出所を承知しておらず、コメントできない」としていることについては、「よう言うわ」と、あきれていました(笑)。

──籠池氏と財務省の田村嘉啓・国有財産審理室長とのやりとりの音声記録が出てきたことを受け、籠池氏は4月28日に国会内で民進党のヒアリングに応じ、昭恵氏と頻繁に連絡をとり合っていたことを明かした。

 籠池氏によれば、小学校の建設について2012年10月頃に「まず真っ先に相談した」のが昭恵氏だったという。当時、首相に返り咲く前の安倍氏に講演を依頼しようと安倍家と接触すると、昭恵氏との面会が実現し、小学校の建設構想を話した。安倍氏が同年12月、首相に返り咲いたため、講演は実現しなかったが、13年9月に財務省に土地取得の要望書を出した後なども、「昭恵夫人に適時、ご報告していた」という。

 その後、昭恵氏の講演が実現することとなり、籠池氏は14年3月に都内のホテルで昭恵氏と面会。

 この際、小学校の建設運動について説明すると、昭恵氏は「主人に伝えます。何かすることはありますか」と応じたという。

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