籠池氏はその後も昭恵氏に交渉の経過を逐一報告し、その回数は20回ほどだったという。さらに、籠池氏の妻と昭恵氏はより頻繁に電話しており、1回の電話で1、2時間ほど話し込むことが「数えきれないくらいあった」と説明した。

 こうしたやりとりから、籠池氏は「私の考えを(昭恵氏に)ご説明申しあげて、そのことを通じて各方面にわたって対応していただいていたのではないか」という認識を持っていた。

 また、問題発覚後に昭恵氏が名誉校長を辞任した際は安倍事務所の秘書からファクスが送られてきたが、昭恵氏自身は辞任を知らなかったという。

 籠池氏は「家内とのメールに『私が辞任したことは知らなかった』という言葉があった。当然、事務所の上の方の対応であったのでしょう」とも語った。

 籠池夫妻と昭恵氏の“親密さ”をどう読みとくか。

 籠池氏は「昭恵氏の意向を受けて財務省が学校設置のために動いてくれた」と思っていた。14年末、財務省から売買契約締結までの手順を詳細に書いた「手引書」のような資料までもらっている。この時あたりから、「神風が吹いている」と感じていたようです。それなのに、16年3月になって新たなゴミの問題が発覚し、財務省が業者に対し、ゴミの一部を埋め戻すよう指示していたという記録も目にした。籠池氏はこれを「安倍家への愚弄」と感じたのでしょう。

 一方、財務省側もこうした背景を熟知していた。

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