ウェルクに端を発した医療サイトの問題。これで幕引きにしてはいけない。(※写真はイメージ)
ウェルクに端を発した医療サイトの問題。これで幕引きにしてはいけない。(※写真はイメージ)

 肩こりは幽霊の影響──。こんなトンデモ記事が問題となったディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーション事業。3月13日に第三者委員会の調査結果が公表された。

 委員会では、同社運営の健康情報サイト「ウェルク(WELQ)」など10サイトの記事約38万件についてサンプル調査を実施。サプリメントを不妊の改善や妊娠にいい働きをする「オススメ妊活サプリ」と紹介した記事など10本で、薬機法(※)や医療法、健康増進法に違反する可能性があるとした。また「ムカデに噛まれたら46〜50度ほどの熱い湯を当てる」という記事では、読者がやけどを負い、病院を受診したことも判明。委員長の名取勝也弁護士は「他者にどのような迷惑をかけるかという認識が甘い。事業の拡大だけを優先し、配慮が足りない」と述べた。

 報告書には「当初は専門家の監修を付ける方向で検討していたが、コストが高くなるうえ、工数が増えて記事の大量生産という事業モデルにそぐわないために見送った」とある。実際、昨年11月時点では、月4千本の記事を、496人のライターと19人の編集担当者、126人のライター以外の外部者で作成。執筆ライターの一人は、「チェックするのも素人ライターと知ってショック。書いた記事が短時間でOKとされ、掲載された」と報告書の中で答えている。

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