ファイナンシャルプランナーの蟹山淳子さんは「どのくらいの奨学金が必要なのか、どう返済するか。イメージをしっかりと持たずに多めに借りてしまう親や学生が多い」と指摘する。

 機構の調査結果をもとに大学生の月間支出額を算出すると、国立に通う自宅生は約9万円で、私立に通う下宿生は約20万円(左表)。家庭からのお金や本人が稼ぐバイト代などの収入もはじき出し、いくら借りる必要があるかを計算してみよう。借りすぎならば、奨学金減額を考えるべきだ。

 機構で月8万円の有利子奨学金を4年間借りると、借入金の総額は384万円。今年度の利率0・16%で計算すると、返済総額は約390万円で、月約1万6千円。卒業後、これが20年間続くことになる。

 蟹山さんは「結婚して子どもが生まれると、奨学金返済と合わせ、二重に教育費がかかる。万一、返済が滞れば、信用情報機関のブラックリストに登録されるし、延滞金が発生する。できるだけ、借入額は少なくしたい」と話す。

 大学卒業後、必ずしも収入の安定した正社員になれるかわからない時代。奨学金は最大限生かしつつも、将来の重荷とならない使い方を考えたい。

週刊朝日  2017年2月10日号