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映画「沈黙」の舞台・長崎を“聖地巡礼”してみた!

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週刊朝日

黒崎教会堂(撮影/写真部・堀内慶太郎)

黒崎教会堂(撮影/写真部・堀内慶太郎)

外海地区(撮影/写真部・堀内慶太郎)

外海地区(撮影/写真部・堀内慶太郎)

 キリシタン弾圧を通じて人間を問う戦後日本文学の金字塔、遠藤周作の「沈黙」を、アカデミー賞受賞の巨匠マーティン・スコセッシ監督が映像化した「沈黙─サイレンス─」。その舞台、長崎を訪ねてみた。

【写真】映画「沈黙」の舞台となった長崎とは

*  *  *
 マーティン・スコセッシ監督3年ぶりの新作「沈黙─サイレンス─」(1月21日より公開中。配給KADOKAWA)は、構想から実に28年もの歳月を経て完成したものだ。

 1988年、監督はたまたま、キリシタン弾圧を通じて人間のありようを描いた遠藤周作の小説を読み、大きな衝撃を受けた。

「私が育った場所には、犯罪者が多くいました。その一方で、非常に高潔な宗教者もいたのです。ですからいつも疑問を持っていました。『人間は本来、善なのか、悪なのか。その両方なのか?』と。それで贖罪ということを考えてきました。本を読み終えて、これは自分が映画にしなければと思ったのです」

 監督は2009年に長崎入りし、作品のイメージを膨らませた。日本二十六聖人記念館館長のデ・ルカ・レンゾ神父は、来館した監督の様子をこう回想する。

「あの時代を正確に再現したいと、多くの質問を受けました。殉教者が着ていた服、ヨーロッパ人が描いた拷問時の版画などを熱心に見たうえで、長崎中心部、外海、雲仙の位置関係や距離を気にしていました」

 今回紹介する場所や施設は、いずれも監督が見学したところ。まさに同作巡礼の旅にふさわしい。

■黒崎教会堂
信徒によって一つひとつ積まれたレンガでできており、1920年に完成した。リブ・ヴォールトと呼ばれるアーチ状の天井と、ステンドグラスを通して入る柔らかな光が美しい ●長崎市上黒崎町26
※教会内での撮影は禁止です。今回は特別な許可を得て撮影しました。教会は祈りの場です。マナーをお守りください

■日本二十六聖人記念館
6人の宣教師と20人の日本人信徒が殉教した西坂に建つ。フランシスコ・ザビエルによる布教から明治時代まで、日本でのキリスト教の歴史を紹介し資料を展示している。1. 殉教した一人、パウロ三木の木彫り像。文化勲章受章彫刻家・澤田政廣作 2. キリシタンがひそかに祈った「雪のサンタマリア」。「マリア観音(聖母マリアに擬した観音像)とは違い、この絵を持つこと自体が命がけだったと思います」(レンゾ神父)。監督はこの絵に魅了され、レプリカを映画に登場させ、昨年11月のローマ教皇フランシスコ謁見の際に贈呈した 3. 殉教者の像を見る監督 4. レンゾ神父 ●長崎市西坂町7‐8


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