足切断にならないために! 糖尿病治療とともに始めたいフットケア (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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足切断にならないために! 糖尿病治療とともに始めたいフットケア

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フットケアの重要性が、一般にも広まりつつある (※写真はイメージ)

フットケアの重要性が、一般にも広まりつつある (※写真はイメージ)

「たとえば足先を踏まれた場合、その刺激が神経を伝って脳に届けられて初めて、私たちは“痛い”と感じます。この痛みの刺激が脳に伝わるのをブロックするのがリリカです。また強い痛みを感じたとき、脳から脊髄に痛みを抑える神経が作動します。サインバルタはこの痛みを抑制する神経を脊髄レベルで刺激して、痛みを感じにくくする働きがあります」(宇都宮医師)

 これらの薬は整形外科で慢性腰痛の治療でもよく処方される。しかし人によって、眠気やめまいなどの副作用が出ることがある。

「リリカとサインバルタは、少量ずつ使って副作用の出方を見ながら、適切な量を決めます。副作用が出るかどうか、どの程度出るかなどは人によって異なるので、場合によっては併用しても構いません。サインバルタはもともと抗うつ剤として開発された薬です。橋本さんは足の痛みで眠れない日々が続き、少し気持ちも落ち込んでいるようだったので、サインバルタを処方しました」(同)

 サインバルタを飲み始めた翌日から、橋本さんの足の症状は軽減し、睡眠もしっかりとれるようになった。1カ月経った現在は、薬の服用をやめているが、症状は悪化していないという。

 なお、リリカやサインバルタで痛みが軽減しない場合は、トラマドールという鎮痛剤を使うこともある。トラマドールは痛みが脳に伝わるのを抑える、脳から出る痛みを抑える神経を活性化するという両方の作用を持っている。

「三つとも神経障害の痛みによく効く薬です。しかし薬で痛みが治まればいいというものではありません。いちばん大事なのは、糖尿病神経障害を引き起こす原因である糖尿病を改善することです。神経障害が初期であれば、血糖コントロールで症状は解消します。糖尿病神経障害があるから薬を使うのではなく、しびれや痛みで日常生活に支障がある場合のみ薬を使う、というのが基本的な考え方です」(同)

 糖尿病神経障害は3大合併症の中で最も起こる割合が高く、しかも早期に現れる。一般的に高血糖状態が数年続くと、糖尿病神経障害が現れるといわれている。

 川口市立医療センター糖尿病内分泌内科副部長の金澤康医師は次のように話す。

「高血糖による神経障害は糖尿病と診断される前から、すでに始まっていると考えられています」

 糖尿病神経障害の代表的な症状は足のしびれ、ジンジン、ピリピリ、チクチクするといった痛み、足の裏に薄紙が貼り付いているような違和感、冷感だ。

 しかし、こうした自覚症状があるのは患者の60%ぐらいで、糖尿病神経障害があることに気づいていない患者も多い。


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