米倉で行けるなら、男でも大丈夫だろう。そんな安易な発想で実現したとしか思えない「ミタゾノ」。今回はブスメイクじゃなくて、女装。松岡の家政夫姿は、「まぁ怖い怖い、キツネとタヌキの化かし合い」というか、アルフィーの高見沢、またはココリコ田中?

 なぜ女装しているのかも謎だけど、派遣先でひと目で男とバレないのも、これまた謎。そんな松岡が「おりゃああっ」と薪を割る姿を見ていると、なんということでしょう。DASH村の新コーナーかしら。

 毎回、シミの抜き方や、便利な洗濯物の干し方、「衣にマヨネーズを混ぜると、天ぷらがサクッと揚がるんですよ」なんて、家事小ネタ情報も挟み込まれる。ドラマ内に、お役立ちの小技も入れていきましょうよ、ほら情報バラエティーでよくやってるヤツ。そんな制作側のドヤ顔が透けて見えるわー。しかし、どれだけ脱線しても、派遣→覗き見&盗み聴き→調査→説教→解決の「家政婦フォーマット」さえあれば大丈夫。

 たとえ米倉でも女装でも、カブトムシでも電車でも(←それは「仮面ライダー」)、壁から半分顔が覗いたら、きっとそれは家政婦。盗聴、盗撮を主張するASKAにも聞いてみないと。背後に半分顔出してる家政婦がいなかったかどうか。

週刊朝日 2016年12月16日号