個性豊かな県民手帳(撮影/写真部・大野洋介)
個性豊かな県民手帳(撮影/写真部・大野洋介)

「県民手帳」って、ご存じですか? 一見すると普通の手帳ですが、全国の41県で地域の個性豊かな手帳が発行されています。観光施設の割引、過去10年分の天気、県内行事の案内など、地元生活に役立つ情報満載。“地味にスゴイ!”一冊を、手帳選びの候補に加えてみては。

 東京都内のロフト有楽町店には、有名メーカーやキャラクターものの手帳が所狭しと置かれている。その一角に、全国から集めた県民手帳のコーナーもある。

 北は青森から南は沖縄まであり、見慣れた黒だけでなく、徳島名物すだちの緑や愛媛名物みかんのオレンジなど、色とりどりだ。

 中をめくると、左ページに1週間の予定を書く週間レフトタイプが多く、つくりはオーソドックス。ただ、後ろのページに地域色豊かな情報が載っている。

 ロフト商品部文具雑貨部の武田至巨さんは「県民手帳を購入される方の理由は、やはりデータがポイントではないでしょうか。県内の過去の天気、特産品や役所の電話番号などの掲載が魅力だ、という声を多く聞きますね」と話す。

 ロフトが県民手帳を扱い始めたのは、2013年版から。競合店との品ぞろえの差別化を図るためで、都内の有楽町店と渋谷店に各地の県民手帳をそろえている。爆発的ではないが、安定した売れ行きという。

 共通した特徴は、県の統計や自治体の連絡先など地元の公的情報の充実ぶり。県庁や県の統計協会などが発行にかかわっている。統計要覧として出していたものにスケジュール帳も付け始めたのが起源の一つ。秋田、長野、埼玉など半世紀超の歴史の県もある。

次のページ