今すぐできるむくみケアとは(※イメージ)
今すぐできるむくみケアとは(※イメージ)

 一日中歩き回ったり、立ち仕事をしたりすると、足がパンパンにむくんで、重だるくなる……。そんな悩みを持つ人は少なくない。とくに年を重ねるほどむくみやすく、症状も重くなるので要注意。今すぐできるむくみケアを医師らに聞いた。

【リンパドレナージ】
 がん手術後などに生じるリンパ浮腫の治療で効果が認められている“リンパドレナージ”。一般的なむくみにも有効だという。本場ドイツでリンパドレナージを習得し、国内でリンパ浮腫の患者に施術を行うセラピストの佐藤佳代子さん(後藤学園附属リンパ浮腫研究所所長)が解説する。

「リンパ管は毛細血管のように体中に張り巡らされていて、体内の老廃物や有害なものを回収し、浄化させて血管に戻す働きがあります。そのリンパ管の動きを助けるのが、リンパドレナージです」

 やり方はまずは腹と胸にある重要なリンパ管の働きを高めるため、両肩をまわし、腹式呼吸をする。それから足のドレナージに移る。

 押さえておきたいポイントの一つは、「足のつけ根から流す」。足先からつけ根へ流したほうがよさそうだが、それでは効果は半減。車の渋滞で例えるとわかりやすい。

「車をスムーズに走らせるためには、まずは渋滞の先頭車を誘導する必要があります。それと同じように、ドレナージも、よりリンパ節の近くから順に流していきます」(佐藤さん)

 足のドレナージでは、力を入れて絞り上げるように押すのはダメ。「食器洗い用のスポンジなどの表面が軽くへこむぐらいの強さで、皮膚の上をなでる」(佐藤さん)。こうすると柔らかいリンパ管がつぶれない。これが二つ目のポイントだ。

「むくみが気になったら行うとよいでしょう。また、毎日続けることで、徐々に足がむくみにくくなっていきます。入浴中にボディーソープで体を洗うときや、入浴後にボディークリームをつけるときに合わせて行うと長く続けられます」(同)

 注意点としては、ケガをした直後、インフルエンザや風邪などの感染症にかかっているときなどは、ケガや病気を悪化させるおそれがあるため、避けたほうがいいという。

【ツボ・漢方薬】
「漢方医学では、足のむくみは体液の偏りを意味する“水滞(すいたい)”と血液の滞りを意味する“お血(けつ)”によって起こると考えられています」

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