「今回の問題は、欧米では差別的に映るでしょうね。イギリスでは、外相のボリス・ジョンソン氏がアメリカ国籍を持っていましたし、カナダのジョン・ターナー元首相はイギリス国籍を持っていました。要は、どこにアイデンティティーを持っているかですね」

 蓮舫氏と近い民進党議員もこう憤慨する。

「二重国籍で、国益を損なうかもしれない? 事業仕分けのときには本当によく勉強し、日本の国益のために取り組んでいましたよ」

 事業仕分けで「2位じゃだめなんですか」と税の使い方に鋭い口調で突っ込んだ姿はなりを潜め、今や防戦一方の蓮舫氏。巨大与党に向き合うためにも、自らの足元を固める必要がある。

 日本の政治制度に詳しい岩井奉信・日本大学教授(66)は「彼女がしっかりと確認しなかったという脇の甘さはあると思いますが、きちっと台湾籍を放棄し、名実ともに日本人になるということで、終わる話だと思います。話が二転三転したなどの混乱に関しても、謝罪していますし」とみる。

 白の蓮舫カラーがグレーとならずに、持ち味を発揮できるか。26日には臨時国会も始まり、論戦に注目が集まる。

週刊朝日 2016年9月30日号