敵を蹴散らし、初登庁を果たした小池百合子新東京都知事(64)、その“勝負強さ”の裏には知られざる“極貧”の過去があった。
見事、“官軍”となった小池百合子新都知事は8月4日首相官邸に凱旋して安倍晋三首相と会談。
「きつい一本を取られた」(首相)と脱帽させた。
その足で自民党本部にも乗り込み、小沢一郎氏の側近だったかつての盟友、二階俊博幹事長と30分ほど会談。二階氏は検討されていた小池氏や若狭勝衆院議員らの処分について「やりあうのは意味をなさない」と慎重な姿勢を示した。
会談後、記者に「これで手打ちですか」と質問された小池氏は「ヤクザじゃないんですから」と余裕の笑顔で立ち去った。この直後、“賊軍”となった自民党東京都連の石原伸晃会長、“都議会のドン”こと内田茂幹事長ら執行部5人は揃って引責辞任を表明した。
初登庁した2日の会見で、東京五輪・パラリンピックの調査チームを作って無駄を見直すと表明した小池氏だけに、今後、東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相との“因縁の対決”が避けられそうもない。都知事選に立候補した元自民党衆院議員の山口敏夫氏がこう語る。
「安倍首相は都知事選でも増田寛也氏の応援に入らず、今回の内閣改造でも森氏の愛弟子の五輪担当大臣の遠藤利明氏が外れた。森氏は外堀を埋められつつある」
そして小池氏が特別秘書に任命した野田数(かずさ)元都議も物議をかもしている。
「過去に民族主義的な主張をし、大日本帝国憲法の復活を求める請願を都議会に出したり、自民党を『偽装保守政党』と攻撃した問題児です。選挙期間中は庶民派でしたが、小池さんはもともと、日本会議国会議員懇談会副会長を務めたタカ派。いきなりの極右起用で馬脚を現しました」(都議会関係者)
万事が小池氏ペースで進みつつあるが、“勝負勘”のよさは、どのようにして培われたものなのか。
「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)の初代キャスターから政治家へ転身し、日本新党→新進党、自由党→保守党→自民党と政界を渡り歩き、環境相、女性初の防衛相、自民党総務会長と華麗なるキャリアを積み重ねてきたが、その飽くなき野望の原点は、知られざる過去にあるという。