放送作家でコラムニストの山田美保子氏が今注目するグッズを紹介する新連載「楽屋の流行(はや)りモノ」。今回は、美容業界で話題の「基礎化粧品」について。
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テレビと雑誌、双方で仕事をしていると、それぞれの現場で会ったキャラのいい人を他メディアで紹介したくなるものだ。
1988年、「キャリアと結婚だけじゃイヤ」というコピーで「Hanako」が創刊された頃、転職特集でインタビューをさせていただいた中に忘れられない人がいた。当時、フランス大使館からランコムに転職をしたばかりの桜田明子さんだった。
強烈なインパクトと押しの強さ。「わかる~?」と、いちいち念を押しながら興味深いエピソードを段積みしていく彼女の話が面白すぎて、すべてカギカッコで括って原稿をまとめたことが忘れられない。
その後、彼女はロレアルパリに転職し、日本ではヘア商材の会社だという印象があった同社がスキンケアでも認知されるタイミングでまた大活躍。当時、その模様を追いかけたドキュメンタリー番組は、まるで「桜田明子ショー」に。オンエア翌日、各店の化粧品売り場では、ロレアルパリのコスメが“桜田売れ”したと聞く。
そんな彼女がフリーになり、PRを手がけている新顔「ファニービーパリ」の基礎化粧品の話題で美容業界が持ち切りだ。
フランス本国では、エディット・ピアフの映画で主演し、アカデミー賞をはじめ多くの賞に輝く女優、マリオン・コティヤールの愛用品として有名なのだとか。
「化粧品は、肌に効果があるだけでなく、健康や環境に配慮したものであるべきだ」という考えのもと、2人のフランス人女性が自分や家族、周囲の人たちにとって「本当にいいもの」「持続して使えるもの」を追求した末に行きついたもの。本国ではコスメの権威ある賞を複数受賞しているし、正真正銘のオーガニック・スキンケアとして、「コスメビオ認証スキンケア商品」にもなっている。パッケージのリサイクルにもこだわっているという。
日本での販売を担うアースヲ(本社・東京)の林雅峰社長も、外資、国産問わず多くの化粧品会社の知名度を劇的にアップさせてきた人。化粧品史に名を残す数々の大ヒット商品の「生みの親」である。
一度見たら忘れられない赤い花が目印。そのパッケージを見ているだけで美意識がアガる。覚えておきたい新スキンケアラインだ。
※週刊朝日 2016年8月12日号