その宇都宮氏は民進党側の協議の結論を待たないまま、11日午後に会見を開いて出馬を宣言。ただ、「統一候補がもし決まったのであれば、ぜひその方と公開の場で政策の議論をしたい」と、候補者の一本化にも含みを持たせた。

 ところが同じ11日午後、石田氏は突如、出馬を断念。同日夕、民進党都連は古賀氏に出馬を要請したが、その日の夜にはジャーナリストの鳥越俊太郎氏の名前が急浮上した。12日、鳥越氏が会見を開いて立候補を宣言すると、古賀氏もその場に現れて握手をかわした。野党4党も鳥越氏支援を決定し、結局、統一候補は鳥越氏で決着となった。

 わずか3日で表舞台から去った石田氏。8日の会見後、CMの違約金などで「何百万、何千万という単位」の金額を請求されていることを明かしており、こうした内部事情が影響したとも考えられる。仮に石田氏が出馬したら過去の交友関係にかかわるスキャンダルが暴露されるという噂もしきりに流され、妻の理子さんはブログで〈出馬しない事を願っております〉と、意味深な書き込みをしていた。

「詳しい事情はわからないが、ご自身で判断されたようです。野党4党がもっと早く統一候補を決めてくれたらと思うと残念です」(石田氏に出馬要請した市民グループ代表)

“石田劇場”は夏の夜の幻に終わったが、都知事選をめぐる狂騒曲はこれから本番を迎える。(本誌・上田耕司、小泉耕平、牧野めぐみ、秦正理/今西憲之、横田一)

週刊朝日 2016年7月22日号より抜粋