ミッツ・マングローブ「聖子のメモリーズが教えてくれたこの世の性」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「聖子のメモリーズが教えてくれたこの世の性」

連載「アイドルを性せ!」

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 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌新連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、松田聖子さんを取り上げる。

*  *  *
 アイドルを象(かたど)る熱量は必ずしもポジティブなものばかりとは限りません。その度合いで見れば、ここ数週間のトップアイドルは間違いなく舛添さんでありましたし、今年上半期に関してはベッキーのひとり勝ちと言えます。無論、ネガティブな感情や関心を『人気』と捉えることには無理がありますが、実はひとりだけいるんです。負の熱量を人気に直結させ得た人物が。ご紹介致しましょう。出川哲朗さんではなく、松田聖子さんです。

 一時期(主に90年代)の聖子ちゃんは、いわゆる嫌われ者でした。結婚・出産・海外進出・不倫・離婚・再婚・娘のデビューなど、あらゆる要素がバッシングの対象となり、その嫌われ様たるや、今では想像できないほど。とりあえず「聖子、嫌い」と言っておく的な世の中が存在しました。

 しかし、一般大衆から嫌われることによって、彼女の値打ちは高まり、より特別な存在になっていったのです。

 今想うと、あの時代の聖子ちゃんこそ、アイドルの真骨頂だったのではないでしょうか。不埒な色気と野望をむき出しにし、あらゆる夢と幻想をぶち壊していく。そんな姿を見せつけられ、「嫌い!」と叫べば叫ぶほど、結局は「好き」な自分に気付いてしまう。だからもっと「嫌い!」と叫ぶ。延々と繰り返される感情の応酬の果てには、もはや言い逃れのできない「好き」が待っている。そう分かっていても、当時は「嫌い」と言い続けるしか自分たちの想いを伝える術がなかった……。一億総ツンデレ。


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