「お客さまから『今まで野球観戦をしたなかで一番よい接客だ』と言っていただけたのが一番うれしかったです」。


ちなみによく売れるのは、試合に勝った日のほか、ぼろ負けしている日もだそうで、「“やけ酒”でたくさん買ってくださいます(笑)」。
若手もベテランも、目指すところはみんな一つ。「名物売り子になりたい!」(なみちゃん)。ナンバーワンを目指し、ドームの階段を今日も駆け上がる。

■TOKYO DOME
200人以上の売り子がいる東京ドーム。中でもビール担当は精鋭が集結し、「売れなければ担当変更の可能性もある」(ちあきさん)厳しい世界。およそ15キロの樽を担ぎ、観戦を妨げないように配慮しながら客席を進むのは、相当の体力と気力が必要だ。その上で、他の売り子と差をつける工夫を各自がしている。たとえば、「1杯どうですか?と自分から話しかける」(れいみさん)、「手を挙げている人を逃さず見つけ、気配りがうまい人は強い」(ドーム販売担当代表)。かわいくて気配り上手な彼女たちについでもらえば、この夏のビールはさらにおいしくなるかも!

週刊朝日 2016年7月1日号