「国が認定した公益法人でさえ潰れるのに、いったいどこに頼めばいいのか」

 協会には全国に約2500人の会員がいたが、こう訴える声は少なくない。全国の消費生活センターには「□△団体は信用できるのか」などの問い合わせが相次いでいるという。いったい何を基準に選べばいいのか。

 もともと身元保証の事業は行政の許認可がいらず、誰でも自由に始められる。しかも団体の多くは、会員の安否確認や身の回りの世話、死亡後の葬儀や納骨などの付帯サービスも引き受けており、老後の“不安”をまとめて依頼できる。

 かかる費用は団体によりピンキリで、終身一括払いもあれば、入会金と月額料金を組み合わせる例もある。都内にある某団体のプランでは、契約時の110万円と月々3500円の支払いで、身元保証が受けられるほか、定期的な安否確認や緊急時の駆け付けなどにも応じてもらえる。110万円のうち、50万円が将来の葬儀や納骨などに充てられる預託金。ただ身の回りの世話は都度払いで、1時間2千円かかる。

「独り身の高齢者にとってはパックで頼める手軽さがある半面、何を契約したのか理解していない例も見受けられます。そのため『こんなはずではなかった』と後悔される人もいます」(東京都消費生活総合センター・西尾由美子相談課長)

 実際、契約どおりにサービスが受けられない例も出ている。埼玉県内の老人ホーム施設長は、某団体に加入していた入居者が急病になったときの対応に憤る。

「その団体は24時間対応を謳っているのに、夜中に連絡したら『何のために行く必要があるのか』と言って、なかなか来てくれませんでした。救急搬送時には施設の職員も付き添いますが、医療機関からは治療や手術の同意を得るために、身元保証人を呼ぶよう求められます。すぐに団体と連絡がとれないと、医師も困ってしまうのです」

 関東地方の某団体に加入する72歳の女性は、「当初は月1回の安否確認の連絡があったのに、次第に回数が減っていった。その後担当者が代わってからは、一度も連絡がありません」と不安そうに語る。

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