団体によっては、安否確認の回数を口約束だけで済ます場合もあるので、書面で担保してもらうことが望ましい。

 身の回りの世話は実費払いで引き受けるのが一般的だが、1時間4千~6千円程度かかる例もあるほか、休日夜間は上乗せ費用もとられる。決して安くはない。それなら最近は介護事業者が保険外でも対応しているので、そちらを利用したほうが安くつく場合もある。どちらがトクか、じっくり検討して決めたい。

 思い描いていたサービスが受けられずに解約しようとしても、払い込んだ費用が戻らないケースもあることを忘れてはならない。

「解約時に高額な違約金をとる団体もあります。なかなか返金されなかったり、連絡がとれなくなったりする例も出ています」(国民生活センター・相談情報部)

 入会時に100万円以上かかる団体は珍しくない。仮に退会した場合、いくら費用が戻るのか、さらに葬儀や納骨などに充てられる預託金がどう管理されているのかもチェックしておくことが重要だ。市区町村の高齢福祉担当の窓口などに契約書を持ち込んで見てもらうのもいいだろう。

 弁護士や司法書士ら専門家からはこんな指摘もある。

「団体側が運営資金を確保するために、利用者に寄付や遺贈を求めることもあります。認知症などで判断能力が低下している場合は、本人の意思がきちんと反映されているのか疑問です」

 団体によっては会員の預貯金・不動産などの財産管理や遺言書の作成まで引き受けるところもある。必要でない支援はきっぱり断るか、弁護士や司法書士などの専門家に依頼して、財産侵害などのリスクを回避しておくことも肝心だ。

 65歳以上で一人暮らしの高齢者は全国に約600万人。夫婦もいずれは一人になる。身元保証を誰に頼むかは老後の悩ましい問題だが、まずは最寄りの福祉窓口である「地域包括支援センター」や市区町村の「社会福祉協議会」で、ほかに利用できる支援がないか相談してからでも遅くはない。早まらないことが大切だ。(介護・医療ジャーナリスト 長岡美代)

■身元保証団体、ここをチェック!
・支払い債務を保証できる資力はあるか
・急病などの緊急時にすぐに駆け付けてくれるか
・付帯サービスである安否確認の頻度と方法は
・解約時に戻る費用の確認と、預託金の管理方法
・必要のない支援が含まれていないか

週刊朝日 2016年6月24日号