いまやプリンス! 故・蜷川幸雄に「ミュージカル馬鹿」と言われた俳優とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

いまやプリンス! 故・蜷川幸雄に「ミュージカル馬鹿」と言われた俳優とは?

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日
俳優井上芳雄いのうえ・よしお/1979年、福岡県生まれ。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年、ミュージカル「エリザベート」の皇太子ルドルフ役でデビュー。トート役を務めるミュージカル「エリザベート」は6月28日~7月26日に東京・帝国劇場で、8月6日~9月4日に福岡・博多座で、9月11~30日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで、10月8~23日に愛知・中日劇場で上演予定(城田優とのダブルキャスト)(撮影/写真部・堀内慶太郎、スタイリング/宮崎智子、ヘア&メイク/川端富生)

俳優井上芳雄
いのうえ・よしお/1979年、福岡県生まれ。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年、ミュージカル「エリザベート」の皇太子ルドルフ役でデビュー。トート役を務めるミュージカル「エリザベート」は6月28日~7月26日に東京・帝国劇場で、8月6日~9月4日に福岡・博多座で、9月11~30日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで、10月8~23日に愛知・中日劇場で上演予定(城田優とのダブルキャスト)(撮影/写真部・堀内慶太郎、スタイリング/宮崎智子、ヘア&メイク/川端富生)

井上:その気持ち、わかりますね。僕もあの当時、「蜷川さん、ケガでもして稽古休んでくれないかな」「この公演中止にならないかな」と思うくらい、毎日がほんとにつらかったんです。それから10年経って、一昨年くらいにまたオファーをいただいて、すごく悩んだんです。コワいし、また傷つけられるかなと思って。ただ、逃げるのも悔しいので、捨て身でやりました。

林:それはなんの作品を?

井上:「冬眠する熊に添い寝してごらん」という、古川日出男さんが蜷川さんのために書き下ろした新作です。不条理劇もいいところで、かなり不思議な話なんです。KAT―TUNの上田竜也君と兄弟の役をやったんですけど、蜷川さん、具体的な動きなどは何もおっしゃらないんです。「この場面はこのセット。はいどうぞ」って言われて、2人とも死に物狂いでやったら、「同じ井上君とは思えないな」ってすごくほめられて。

林:またその言い方もちょっと……(笑)。

井上:「人ってこんなに変われるのか」とも言われて、その年でいちばんうれしい言葉でした。2回目があって幸せだったと思いますね。

林:いやな思い出で終わらないで何よりでしたね。寺島しのぶさんがインタビューで、「おまえはブスなんだから、演技を身につけろ」と言われたって。蜷川さんって、人の心にグサッとくるようなことをおっしゃるんですよね。

井上:いま思えばですけど、「あいつの演技全然ダメだな」とか、みんな思ってても言わないようなことを本気で言ってくださったんだと思います。演劇の一つの時代が終わったんだなと思いますね。

週刊朝日 2016年6月24日号より抜粋


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい