北原みのり「『合意』の犠牲者」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「『合意』の犠牲者」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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誰のため、何のための和解なのか…(※イメージ)

誰のため、何のための和解なのか…(※イメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。慰安婦問題の日韓合意について言及する。

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 日本軍「慰安婦」問題の「日韓合意」がなされて5カ月経った。日本のメディアでの論調は概ね「日韓合意、おめでたい」という調子で、「過去は水に流し、日韓、新しい関係築いていきましょう!」という前向きなものが目立つ。それはまるで長年喧嘩してたご近所さんと、ようやく仲直りできたというような軽さに映り、私は「合意」後、ずっとモヤモヤし続けている。

 そのモヤモヤが何かを自分でも言葉にしたく、先日、ソウルで行われた「第14回日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」に参加した。「慰安婦」当事者や支援者等、約150人が集まり、それぞれの活動を発表し、「解決」のための共同行動を決定する場だ。

 東ティモールから20時間かけてソウルにやってきた93歳のイネス・マガリャイス・ゴンサルベスさんは「『慰安所』で私は女の子を産みましたが、日本軍に連れ去られてしまいました。私はお金をもらっていない。日本政府に公的謝罪と賠償を求めます」と語った。フィリピンからいらした86歳のエステリータ・バスバーニョ・ディさんが「日本政府は何のために時間をかけているのか。韓国政府とだけ対話する日本政府に同意できない」と涙で声を詰まらせながら訴えた。

「慰安婦」問題というと、「日韓問題」と考えてしまいがちだが、このように様々な国の人々が一堂に集う場に来ると、日本で語られる「慰安婦」問題と全く違う視線を突きつけられる。特に私は、フィリピンの支援者の発言に衝撃を受けた。彼女は昨年末の日韓合意について意見を述べたときに、日本政府ではなくて、韓国政府を激しく批判した。


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