開かれた王室を体現するエピソードにはこと欠かない。英タブロイド紙などの報道によると、エリザベス女王は、01年に次男のアンドリュー王子から携帯電話をプレゼントされて以来愛用し、定期的に新しい端末に更新。自分のメールアドレスも取得し、他の王族との連絡には、「ブラックベリー」製のスマホを用いているという。

 記憶に新しいのは、12年ロンドン五輪の開会式。映画「007」の主人公ジェームズ・ボンドを演じた俳優ダニエル・クレイグ氏と共演し、ヘリから飛び降りるという大胆な映像が流れた。同じ年、毎年恒例のクリスマスのメッセージでは、3D映像にも挑戦した。

 外遊先でスカートがめくれあがった姿をパパラッチに撮られたキャサリン妃に、「スカートに重りをつけなさい」と苦言を呈したとか。進歩的であっても品位も重んずるスーパー・ウーマン。昨年は、国内外で300を超える公務をこなし、現役ぶりを見せつけた。

 6月上旬、盛大な祝賀イベントが開かれる。女王のサプライズ演出が見られるかもしれない。(本誌・永井貴子)

週刊朝日 2016年5月20日号