「スタッフの多くは、大塚家具からの転職組です。勝久会長は社員思いで、家具への思い入れも強い。おわびセールや売り尽くしセールなど、セールざんまいの大塚家具より、匠大塚に可能性を感じているんです」(匠大塚の関係者)

 一方、久美子氏率いる新生・大塚家具は、かつての高級路線から中級路線へと切り替え、気軽に立ち寄れるカジュアルな店舗へ路線を変更してきた。だが、今年に入ってから3カ月連続で売り上げが前年同月を下回り、苦戦しているようだ。SBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏は、こう分析する。

「家具業界では、デザインから製造・販売を行い安さを維持しているニトリが圧倒的に業績を伸ばしています。もう少し高いモノが欲しいという層にも支持され客層を広げている。大塚家具の内紛で、漁夫の利を得たのはニトリと言えるでしょう。匠大塚は、個人客より法人向けに、どこまで食い込んでいけるかが課題です」

“第3ラウンド”の敵は、もはや身内ではない。(本誌・牧野めぐみ)

週刊朝日  2016年5月6-13日号