「どちらも基準値より少し高め、そういうケースがもっとも注意が必要といえるでしょう」(平野医師)

 実際に、体質的に中性脂肪が数千まで上がるような脂質異常症があるが、そういったケースでもLDL‐Cが基準値より低ければ動脈硬化はすすまず、心筋梗塞のリスクは健康な人と変わらないのだという。

 高コレステロール血症と高TG血症の両方がある場合も、まずスタチンを用いてLDL‐Cを下げる。

「動脈硬化の“主犯”であるLDL‐Cを減らすことが、第一の目的になります」(同)

 田畑さんはストロングスタチンを1カ月服用してTCが160まで低下。HDL‐Cは40に上昇した。現在も服薬を続け、狭心症の再発を防いでいる。

 薬の効果が十分でない場合は、高TG血症の治療薬を併用するが、現在使われている「フィブラート系」の薬は腎機能が低下している人には使えない。また、スタチンと併用すると筋肉の障害などの副作用が出る可能性がある。その点を改良した新薬「ペマフィブラート」が現在、臨床試験を終えて発売に向けて申請をおこなっている。

「LDL‐Cが130~140だと経過観察のこともあるでしょうが、中性脂肪200以上をともなうなら、医師に相談して治療を検討してください」(同)

週刊朝日  2016年4月29日号より抜粋