バブル世代の転職 正しい“市場価値”の見極め方とは?

仕事

2016/03/04 07:00

 大学を卒業して外資系の半導体メーカーに就職した。ときはバブル全盛期、20代半ばで年収は約600万円にも。実家暮らしだったため、スーパーカーが買えるほど潤っていた。しかしバブルが崩壊。希望の勤務地で働けなくなり、退職。その後、半導体の技術者としてのスキルを生かし、期間制限のない専門26業務の派遣社員として働き始める。

 もっとも長く勤めたのはソニーだ。主に最新鋭の医療用カメラの設計を担当した。派遣とはいえ、スキルのある人材に対しては権限を与えてくれる風土で、給料も1部上場企業の正社員並みで申し分はなかった。ところが社内の組織改編で事業部長が代わった途端、「契約を終了したい」と言い渡される。

 次の派遣先が決まらない中、秋庭さんは人生の棚卸しをしようと、3カ月かけてこれまでの人生や仕事を書面にまとめてみた。すると、キャリアが整理されたのはもちろん、幼少期から自立心が強かったことを思い出す。一念発起し、14年3月にハートインコーポレーテッドを起業。電子回路設計のスキルとスーパーカーの趣味を生かし、修理が難しい希少スーパーカーの回路修理などを請け負う。

 現在、ビジネスでの収入はまだ少ないが、昨年は神奈川県からの融資補助も決定。さらに今年2月には、KDDIが主催する日本最大級の起業家支援プログラムで、秋庭さんが初期に携わった、アートをインターネットで共有・表示できる商品「uusia」が最優秀賞を受賞した。それらの活動を通じ異業種の起業家のつながりが広がっている。

「50歳を前に派遣切りにあい、就活をしても年齢的に厳しく、人間として認められていないのかと落ち込むこともありました。でも、自分の人生を棚卸しして客観視したことで考え方が百八十度変わり、組織に依存せず自分の足で立ってみようと思えたのです」

週刊朝日 2016年3月11日号より抜粋

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