浮気相手に大金を “ゲスの極み”夫へ尽した強妻とは (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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浮気相手に大金を “ゲスの極み”夫へ尽した強妻とは

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小春への義理を立て、夫の体面も保つには…(※イメージ)

小春への義理を立て、夫の体面も保つには…(※イメージ)

  江戸時代のスーパーウーマンを描いた文楽作品「心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)」について、次世代を担う文楽太夫の一人、豊竹咲甫大夫さんが紹介する。

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 いよいよアメリカ大統領選が十一月に迫ってきました。民主・共和両党の候補者選びが熱を帯び、日本でも連日報道されています。中でも注目は女性初の大統領を目指すヒラリー・クリントン氏ではないでしょうか。

 これまで女性は社会でいくらキャリアを積んでも、見えない障害に阻まれて組織のトップになることができない、いわゆるガラスの天井があると言われてきました。ヒラリー氏はファーストレディー時代に夫の不倫スキャンダルを乗りこえ、自身も国政に進出したスーパーウーマン。そんな海の向こうのミセスが頑張っているなか、三月地方公演では、ミセスが大活躍する心中天網島が上演されます。

 心中天網島は、近松門左衛門が1720年に起きた心中事件を元に書き上げたものです。舞台は大坂・天満の紙屋。主人の治兵衛は商売に身を入れず、廓(くるわ)通い。曽根崎新地の遊女・小春と深い仲になり、心中を誓い合っています。ゲスの極みのような夫の代わりに、二人の子どもを育てながら商売を支えていたのが、妻のおさんでした。

 この紙屋は間口が六間(当時の大坂では約十一・八二メートル)あり、江戸時代は間口の広さに応じて税金の額が決められていたことから、相当な商いをしていたと考えられます。

 おさんは大商家に嫁いだ女性だけあって肝が据わっていました。治兵衛が小春と心中する気だと分かると、不倫相手の小春に治兵衛と別れてほしいと手紙を出して根回し。小春に自分の気持ちを汲み取らせて治兵衛との縁を切らせます。傷心の治兵衛が店のコタツに入って泣く姿を見つけると、まだ未練があるのかと叱りつけました。


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