「Aはうまいものが大好きで、すしをおごったりしていたよ。商品券もあげたことがあるけど、うれしそうに受け取っていた」

 くだんのS社のI氏の接待攻勢で、神奈川県内のフィリピンパブに通い詰めていたA秘書は、カネ払いのいい常連客として店の女性から評判がよかった。店では、「ケンちゃん」と呼ばれていたという。

「ケンちゃんは多い時で1週間に2、3回来ていました」(フィリピンパブ店員)

 甘利氏も会見で「(A秘書が)なんとかパブに何度行ったのか、回数が多すぎて調査に時間がかかる」と自嘲気味に認めたほどだ。

 だが、その甘利氏も神奈川県内のフィリピンパブに姿を見せた時もあったという。その店のママが滑らかな日本語で証言した。

「5年ぐらい前だったかな。知り合いのお客さんに挨拶するために、甘利さんが店に来たよ。すぐに帰ったけどね」

 本誌は甘利事務所とY氏に改めて質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。

(本誌取材班=西岡千史、上田耕司、亀井洋志、牧野めぐみ)

週刊朝日 2016年2月12日号より抜粋